2007年4月14日土曜日

鉄鋼業界

鉄鋼ポスター 去年JRの駅で、このポスターを見た。コンサートのポスターではなく、鉄鋼業界の新卒採用の広告だ。話題になったポスターなので見たことがある人も多いだろう。


 これくらいの奇抜の宣伝をしないと人が集まらないのは鉄鋼業界の現状のようだ。


 華麗なる一族の放送が終わったばかりだ。あの1960年代後半の時代では鉄鋼は最も熱い業界おひとつだった。万俵鉄平が東大で学び、さらにイギリスに留学をして技術を学び、最後まで自分の人生をかけてきたのに値する業界だった。


 いまはどうだろう。一部の学生にとってはまだ魅力的な業界かもしれないが、大多数にとっては成熟したこの業界は、好調に業績を伸ばしても魅力が足りない存在になってきた。


 そもそも中国特需がないと今の業績がないかもしれないし、外国勢に押されている鉄鋼業界の先行きに対して不安を感じる人も多いはずだ。国内で合併するが、外国の会社に買収されるか、そうして規模を大きくしないと到底生きていけない。状況が明白だが、行動が見えない。混迷している以上学生も行きたくないだろう。


 去年この業界で世界シェア10%も握る最大大手が誕生した。そのアルセロール・ミタルの時価総額は日本最大の新日鉄の2倍。食われてもおかしくない立場だ。奇抜なポスターを出すよりも、奇抜じゃなくてもいいからちゃんとした戦略を見せたほうが学生が集まるのでは。



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