2005年12月10日土曜日

中国の中小学校の地震教育

 中国南部ではこの前地震があった。
 人的被害がそれほど大きくなかったが、地震対策の問題が非常に大きく露呈したという。一つは建物の設計は耐震のことを考えていない。そして重要な問題は学校ではまったく学校についての安全教育がないことだ。
 中国は決して地震の少ない国ではない。もちろん日本ほどではないが、世界中で比べると、自身の多発する国の一つではある。しかし、その地震に対する教育は、一部を除いて、皆無ともいえる。



 やはりほとんどの国土においては、地震が起こる可能性が非常に低いという理由なのだと思う。一部地震多発地域の使用する副教材には地震に対する安全教育の内容はあるが、全国共通の教科書には、どの科目にもその内容はない。
 そして、今回地震があったのはその教育をされていない地域だった。人的被害は大きくなかったものの、地震がおきるとき子供達はどう行動すれば良いかはまったく分からなかったようだ。そのためにパニックを起こし、混乱が生じた。
 その状況を把握して、教育部がすぐ地震教育を全国の中小学生の教育内容に組み込むことを決定したようだ。地震が多発する地域だけではなく、一般的の安全常識として中小学生に学ばせるという。
 1976年に起きた河北省唐山地区の地震できわめて莫大な被害を受けてからすぐでも始めるべきのことだが、30年後に初めて実現された。自然災害に対する安全意識はまだまだ足りないことのあらわしである。
 
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2005年12月9日金曜日

読書 CNN ENGLISH EXPRESS

CNN ENGLISH EXPRESS (イングリッシュ・エクスプレス) 01月号 [雑誌]
 リスニング専門の英語学習雑誌。使っている材料は全部CNNの一ヶ月くらい前のニュースなどの番組で実際に放送された音声とそのスクリプトだから、内容が面白くて、英語の新鮮度もとても高い。

 リスニングを練習するための雑誌なので、英語の量はかなりある。そして、すべての英語は音声があって、スクリプトがあって、訳があって、しかも単語の意味と簡単な文法説明が全部ついてある。辞書を見なくても勉強できる。さらに別冊付録で今月の単語集などもついている。 そして、何よりいいのは、内容は三つのレベルに分かれていて、聞き取りやすい内容から難しい内容になっていく。最初からやっていけば、自分のリスニングがだんだんできるようになってくることが実感できる。長い文章はパラグラフごとに分けて録音してあるから、一回分の内容もちょうどいい。 これからはこの雑誌を使って苦手なリスニングを練習していく。進歩をまた報告したいと思っている。
 
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2005年12月8日木曜日

中国 VS 東南アジア VC インド

 世界の工場としての中国には強いライバルがいる。ベトナム、タイをはじめとする東南アジアとインドである。ここでベトナムを東南アジアの代表として、この三ヵ国を比較してみようと思う。
 この三ヵ国の性格をたとえてみると、中国は「商人」で、ベトナムは「労働者」で、インドは「エンジニア」である。この三カ国の共通の強みは人件費の低さで、多少の差があるが、日本からしてみたら人件費そのものの差は無視できるほどでしょう。そのほかの点で三ヵ国はそれぞれ強みと弱みを持っている。

 中国はこの三ヶ国の中で一番商売がうまいだろう。文化の中心として繁栄の頂点に達した唐の時代よりも前から、中国は周辺各国相手で商売をしてきた。そして、広い国内でも各地の商人たちが活躍してきた。今でもそれは変わらなくて、中国人は商売がうまい。そして、商売のことを最優先に考えいる。
 中国のとって人件費の安さやあくまでも今商売に使える一つの材料に過ぎなく、これがなくなったらまた他の材料を使って商売をする。だから中国は自国の人件費の上昇には基本的に抵抗がない。そして、商売の相手に対しても特にこだわりがない。日本が相手にしてくれなければ他の国を相手にするというスタンスで商売をやっていると思う。なので、人件費の上昇や、国民の対日感情による商売への影響(もしそのような影響があれば)、中国商人たちはそれをどうにかしようとは思わない。今までの経験より、きっと今の競争優位材料がなくなっても次の材料がすぐ見つかると自信を持っている。
 中国商人のこのような特徴は、各種の資源が豊富だからであろう。また次の商売材料がすぐ見つかるため、中国商人は短期的に利益を上げることを一番重視している。今使える資源を使って満足のできる利益を出せればいい。
 他の特徴として次の二つがある。まず中国商人はリスクを恐れない。高いリスクを負って高いリターンを追及する。そして適応能力がとても高い。どんな相手でも相手にできて商売ができる。
 ベトナムとインドについてはそれほど知らないが、今までいろんなメディアで少しずつ知ったことを材料に考えてみる。
 ベトナムは「労働者」だと言っているのは、今のところこの国には人件費の安さ以外にはほとんど強みはない。中国と比べて決して商売がうまいとはいえない。そして実際に商売をしてみたらそれほどいい相手でもないらしい。中国人の僕から見て、ベトナムは80年代の中国に似ている。国の政策は当時の中国同様改革開放を採用してあまり経っていない。中国が当時のソ連や東欧諸国の経験を勉強しているように中国の改革開放を勉強している。謙虚ではあるが勤勉だとはまだいえないかもしれない。
 経済開放して、発展の環境がそろってきているから、人材と資本さえあれば最初の発展としてかなりのスピードが実現できる。ただこれからも中国のように急速発展がもたらすいろんな問題にぶつかるだろう。でもその前にまずもっと商売を強くする必要性があると思う。何しろ最終的には中国との競争になるから。準備が整えるまでベトナムにはもう少し時間が必要だろう。そしてベトナム人は時間にかなりルーズらしいから、「タイム」はベトナムにとってのキーワードになると思う。
 インド、紛れもなく「エンジニア」である。おそらく世界中どこよりもすばらしいエンジニアであろう。たとえエンジニアとしてのレベルが同じ国があるとしても、人数的にはインドにはかなわないだろう。もうそろそろ人口が中国をも越えるのだから。人件費の安さと最高なエンジニアの頭脳で、競争力としては中国もベトナムも勝てないであろう。ただ、その商売力はどれだけあるかは問題かもしれない。中国と組んだら無敵コンビになるかもしれないが。
 インドの一番大きな問題はその社会である。長い歴史の中で出来上がってきた階級社会が変わることがなかなか難しい。その影響がまだまだ強く残っている。そして何よりその爆発的に増加し続ける人口だ。国土と食料が限られている以上そのような人口増加には無理があるのは誰でもわかること。それをインドでは何もできないのは致命傷であろう。中国が今直面している資源問題と環境問題はもうすぐインドの問題になり、そして中国よりも深刻になるであろう。エンジニア達がこのような問題をどうやって解決するかで、インドの将来が決まるであろう。中国ほどのリスクがなくても、社会問題環境問題による余計なコストがあるに違いない。
 「中国リスク」、「ベトナムタイムラグ」、「インドコスト」、経営者ならどれを選ぶだろう。


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2005年12月7日水曜日

中国の若者は公務員になりたい

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  新華社のウェブサイトで若者が競って公務員になりたいという記事があった。記事によると、今年11月に実施された公務員試験では、受験者が36.5万人に上った。この数字は去年より47%増で、更にこの数字は5年前の2001年の3万人の10倍以上である。このような高人気のために、公務員試験の平均倍率は35倍で、一部の超人気ポジションの倍率は2000倍になっているという。
 なぜ中国の若者たちは公務員になりたくなってきたのか?



 理由は三つと思う。
 一つ目は短期的に、ここ数年全国の公務員給料はみんな上がったことである。実はここ数年、全国の平均収入が急速にあがったことによって、公務員の給料は決して高いほうではなくなってきた。それに対して、公務員の仕事の強度はあがり続けてきた。このことで、公務員たちのモチベーションが下がりつつあった。この状況を打開しようとして、中央政府も地方政府も公務員の給料増額を実施した。これが若者に、「公務員は安定しているだけではなく、給料もいいのだ」という印象を与えた。
 二つ目の理由は国の人材確保戦略である。外資系企業、私営企業が増えて、その収入が市民全体の平均収入よりもはるかに高くなったことで、多くの人材がこのような企業に流れている。政府が今までのように公務員として一流の人材を確保することが難しくなってきた。人材を再び公務員として働いてもらうため、国は公務員給料を上げるだけではなく、実力主義を採用し、若くても実力があれば重要な仕事が任せられるような環境を作りつつある。さらに海外からも人材を確保し、公務員内部の競争レベルをどんどん上げている。有能な若者にとって、公務員も非常にやりがいのある仕事になってきている。
 三つ目はやはり中国の市場の不安定性である。前には高給料を追求し、外資系企業や私営企業の人気が高かったが、最近になってそのリスクも認識され始めた。高い給料をもらっている割には、いつ首切られるかわからないのと、国有企業や公務員が受けている医療保障制度、住宅支援制度、そして企業が年金の一部を払ってくれる保証制度がないことに不安を感じている。さらに、市場そのもののリスクが企業の倒産リスクを高くしていて、それもまた若者の選択を左右している。
 この三つの理由が若者の公務員志向を高めている。この傾向はここ数年は続くだろうと見ている。
 
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2005年12月6日火曜日

チキンのないケンタッキー

kdj 中国のケンタッキーはチキンではなく、豚を揚げている。
 実はこれは今年の話ではなく、去年初頭国内で初めて鳥インフルエンザーについて報道されたとき、中国国内で鶏肉に対して異常な恐れが生じ、市民が鶏肉を食べることを避けるようにした時のことだ。
 今週、新華社のウェブサイトでの鳥インフルエンザーの流行について評論する記事があった。その記事でこのことも書かれている。記事で筆者が心配していることの一つは、去年鳥インフルエンザーに対して市民がこんなに敏感に反応したにもかかわらず、今年これだけ国内で流行していて、死者も出ているのに、市民の反応が薄いということだ。
 そして、筆者が記事で問題として提起しているのは、中国をはじめ、アジアでの鶏などの養殖方式が鳥インフルエンザーの流行をもたらしたということだ。



 記事によると、アジアでの鶏養殖は産業化されていないのが大部分で、中には放し飼いに近い飼い方や、豚、牛や他と一緒に飼う飼い方もある。そして養殖場で養殖しているところでも、その鶏舎の鶏密度や、衛生管理、飼料管理などは全然できていなく、ウィルスが流行しやすい環境になっているという。
 要するに産業化を進み、管理システムを構築すべきだという主張だ。他の国の状況はよくわからないが、中国にとって農林水産業の産業化は国がこれから進めるに違いない。農村部での今まで以上の人手余りを発生させてしまうが、今の中国では一部の農民が土地から離れて、国中に移動しながら出稼ぎをすることが経済発展の原動力になっているという見方が強くある。国もこの傾向をさらに強める方向にあると見られる。
 政策環境的な条件はすぐ作られると思うが、不足しているのは資金の投入と技術だ。農業そのものの外資への開放は当面ないが、養殖に関しては間法される可能性は十分にある。次の5年の中国ビジネスの一つの大きなチャンスになると思う。


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2005年12月5日月曜日

外国人として広島事件をみる

 広島女児殺害事件は外国人犯罪だった。しかもかなり酷な事件だ。
 半年後に大学を卒業して、今の寮から出て部屋を探さなければらないことになるかもしれない。二年前教養学部から進学して、その当時の寮から出て、部屋を探していたときのことを思い出す。その前には中国人留学生による福岡一家四人殺害事件があった。その事件のせいで、中国人留学生の部屋探しは例年よりは難しかったという。僕はいろんなことに恵まれて、壁にぶつからなかったが、やはり事件の影響が中国人留学生全体にはかなり大きかったようだ。
 そしてまた今度も外国人のきわめて悪質な犯罪だ。
 関西のペルー人の事件だから、東京での中国人の僕には影響がほとんどないと思うが、同じ関西にいるほかのペルーの外国人、そして南米のほかの国の外国人にとっては、二年前中国人留学生が直面したような問題に直面しなければならないだろう。
 部屋を貸す側や地域の立場で考えるとその大きな不安はわかる。そして、外国人がこういうとき感じる不平感と無力感もわかる。どの国の人にも犯罪するような人がいる。そのほんのごくわずかの人で外国人みんなが否定されることがないように、「国」という概念に縛られることなく、その人その人を見ていただきたい。


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2005年12月4日日曜日

一人っ子政策その3

 一人っ子の話第3弾。今日は一人っ子の就職について書く。
 この時代の一人っ子たちの就職は大変なのである。まず人口の減り方よりも社会が必要とする職の数の減り方のほうが急だからである。さらに今まで上の世代なら就いていたような職の一部には一人っ子は就きたくなくなっている。
 甘えん坊タイプならもちろん、独立志向タイプでもある程度親に甘えて来ている。このような一人っ子はきつい仕事よりも楽な仕事に就きたい。一人っ子にとってきつい仕事に就く動機は高い給料だけである。しかし、高い給料のきつい仕事は外資企業系での高度な脳労働だ。このような仕事に就ける人はごくわずかである。
 そして仕事が楽になるにつれ、その給料水準がもちろん下がっていく。そして、最後にきつくても給料の低い仕事もある。また、楽と言えども、表面上のものでしかなく、実は楽でもない仕事がほとんど。要するに楽でもない給料も低い仕事が多い。これは社会全体の給料水準がまだアンバランスだからで、改善するにはまだしばらく時間が必要である。
 きつい仕事をしたくない、低い給料も欲しくない人はニートになっていく。



 中国社会は実はニートをあまり生み出さない社会である。多くの親が仕事をしない子供を許さなく、金を出して何かの店を作ってあげてやらせることが多い。しかし多くのニートは働くことの意味と必要性が見えていない。その証明は中国の多くのニートは親から金をもらって友達と遊んでいる。要するに彼らにとって働かなくても遊べるお金があるなら働く必要がないのだ。
 これはまたかも親の問題だと思う。多くの子供自身も働く意欲がなかったり、対人関係が問題があったりするわけではない。親がもし自立させ働かせれば、子供は抵抗をあまり示さないのだ。ポイントは親が子供にどうすれば良いかを教えてあげる必要がある。独立志向タイプ以外の一人っ子は自分で考えない考えたくない人が多いから、最初は考えるきっかけを与えるべきである。「自分のできそうな範囲で好きな仕事を見つけて、そのための勉強をしてやればいいよ。」といってあげれば、子供は自分でいろいろと描き始める。それをさらにうまく誘導すればニートとしての問題は解決する。社会が提供できる職は確かに減ってるが、自営業に対する需要が非常に大きい。自分で何かをやろうとさえ決意すれば、それは難しいことではないのだ。
 
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