あまりにも多くの議論と話題を提供するような事件だ。そして深く掘り下げなければならないはずの点もたくさんある。
それらの点はこれからしばらくの間メディアが報道し続けてくれるだろう。僕の関心はやはり外国人留学生ということだ。
いま在米の韓国人の留学生たちはどのように思われているか分からないが、彼らの存在を嬉しく思わないアメリカ人も多いだろう。福岡一家四人殺害事件のとき在日中国人留学生も似たような境遇があった。
また、今でも9.11の影響で、在日のイスラム教徒たちが多くの日本人に敬遠されているのもまた事実だ。
犯罪者を出してしまった以上、犯罪者が属する集団に責任がないとはいえない。しかし、どんな集団でも完全に犯罪を防げるようにはなっていない。恐らくそんな集団を作ることは不可能だろう。
理屈を言ったら誰も分かる(もちろん分からないような人もいるだろうが)、しかし気持ちの問題はまた違う。理屈で分かっていても解決できないような問題がいっぱいある。
気持ちの問題を解決するのはコミュニケーションしかない。お互いが思うことをぶつかり合わないと理解しあえないし、このような事件が発生すると対応が出来ない。ところがこのような問題が発生していたら、ますます交流しにくくなる。
壁がこうやって出来てしまう。この壁をどうやってぶち壊すかはそれぞれの社会の課題だろう。