2005年11月5日土曜日

字を書く

 今日ユーキャンのホームページをじっくり見てみた。何かやってみようと思ったから。
 何かを探すといっても、実は前からちょっと前からやりたかったのがあった。習字関係の講座。
 小学校1,2年の時書道をやっていた。親がやらせたほうがいいと思ったからだ。でも、もちろん字がうまく書けるように習わせようというのが目的ではあるけど。これが第一目的ではなかった。当時親が考えていたのは、幼稚園時代半端なくやんちゃだった僕を、どうしたらいすに座らせることができるかということだった。書道がちょうどこの二つの目的を同時に実現できるから当時では最適な選択だった。



 でも実際に僕はそんなに落ち着きがないわけではなかった。むしろ落ち着くときは結構落ち着けていた。結果的に2年間勉強して、小2にして字がかなりうまくなっていた。2年でやめてから筆を持つことが一回もなかったが、漢字についての理解がかなりできた。そして、何より、字の書き方がわかってきた。「とにかくまねてまねて、同じようにうまく書けたら自己流で書く。」これを中学校まで実践していた。そして中学校卒業のとき、自慢できるほどの自己流の字をかけていた。

 そして日本に来た。そして字がうまく書けなくなった。
 そして大学に入った、そして字をほとんど書くさえしなくなった。


 日本に来てひらがなの書き方で苦労した。本当なそのときちゃんとひらがなの書き方をちゃんと習っておけばよかったが、そんな時間がなかった。結果としていまだにかなをうまくかけない。
 もう一つのポイントは日中の漢字の形の違いだった。繁体字と簡体字の違いがその一つで、もう一つは、同じ字でも微妙な違いがあったりすることだ。たとえば「歩」と「步」。そのため、字を「造り上げる」時の作り方が微妙に違ってくる。高校のとき、もう一回ちゃんと日本で字の書き方を習わないと、自己流では慣れていない字を書くのが難しいと感じた。
 大学に入ってから、ほぼすべてのレポートはパソコンで書くことになった。そして、たとえ授業でノートをとるとしても、それは大体数式の多いノートだった。字をほとんど書かなくなってから、字が著しく悪くなった。もう本気に習ったほうがいいと思うくらい。
 
 とりあえずユーキャンのHPで資料請求をした。送ってきた資料を見て、決めようと思う。


2005年11月4日金曜日

北京大15位、東京大16位

 イギリスタイムズのラインキングでこんな結果が出た。世界15位に北京大学がランクし、16位の東京大を抜いて初めてアジア一位に評価された。
 日本ではさほどのニュースになっていないが、ずっとアジアトップの座に座り続けていた東大の2位転落はそれなりにインパクトがあるはずだ。このニュースはそれほど注目されていないのは、おそらくこのランキングはイギリスが出しているのもだからだ。
 実は中国での反応も非常に面白い。



 新華社のウェブサイトでこのニュースが「イギリス人が中国人をからかう気?」といきなり批判的な態度だった。自国の大学が高く評価されているのに、からかわれていると思うのはどうかと思われるかもしれないが、中国人は非常に冷静にこのアジア1を見ている。
 新華ネットでは、今回のランキングの採点方式を分析して、今回の1位は喜べるものではないと主張している。このランキングの採点では全部6項目あって、そのなか、「学者からの評価」という非常に主観的な項目が全体点数の40%にも占める。北京大学はまさにこの項目で10位という高得点を得、総合点では15位を獲得した。対して「論文引用」という項目では、実は北京大は0点と評価された。今までのランキング(主にアメリカが出しているもの)は全部この論文引用を重視してきた。中国国内でも基本的にはこの点を一番重要に考えている。だから、「論文引用」0点の世界15位は中国国内も受け入れられない。
 10年前の中国なら、こんな世界15位でも喜んでいたと思う。今の中国は非常に現実的になってきている。

2005年11月3日木曜日

強迫性障害OCD

 まだ高校三年生の後輩が強迫性障害(OCD Obssesive-Compulseve Disorder)にかかっている。
 神経症の一種で、普通の人の2-3%がこの病気にかかっていると知られている。実に多くに人がかかっている。
 どんな病気かというと、「不快な考えが頭に何度も浮かぶため、その不安を振り払う目的から同じ行動を繰り返してしまう」病気(UTU-NET強迫性障害教室)。



 後輩の一番大きな症状は、本や文章を読むとき、理解したとわかっているにもかかわらず、理解していないと心配し、同じところを繰り返して読んでしまう。現役受験生の彼にとってこれは致命的な問題となっている。
 今年に入ってからその症状がだんだん出てきたが、最初は症状が軽いのもあって、本人は自分で何とか気持ちを調整してその症状をやわらげようとしていた。しかし、だんだん症状がひどくなっていて、今年の夏病院に行くことにした。
 強迫性障害についての研究は進んでいるが、その原因はまだ不明で、脳の一部による機能異常が原因ではないかという仮説があるだけだ。そのため、今完全に治る方法はまだない。
 治療法としては、薬物療法と認知行動療法の二つがある。薬物療法は、薬で脳内調整をすること。認知行動療法は病気の原因と仕組みを理解し、不安を除くと同時に、自分の行動をコントロールすることで症状を緩和する治療法である。普通はこの二種の併用か認知行動療法だけで治療が行われている。
 今後輩は毎週医者のカウンセリングを受けながら、この二種の治療法を併用して、病気と闘っている。本人が性格的に明るいのもあって、今はある程度回復しているようだ。まだ現代文や物理など問題文が長い科目の勉強はできないが、数学化学などの科目の勉強はできるようになった。少しずつではあるが、受験に向けて着々と進んでいる。
 最大限の応援をしたいと思っている。

2005年11月2日水曜日

吉野家安部社長授業

 今日、吉野家の阿部社長が大学のオムニバス形式の授業に講師としていらっしゃった。その内容を簡単まとめたのは以下である。




  • 全社員数対全店舗数は1:1くらい。一部アルバイト店長もいる。
  • 6:4で直営店とFCの比率。外食ではこれくらいの比率で直営がマジョリティーのは吉野家とケンタッキフライドチキンだけ。
  • これからもっとも伸びるのは中国。今台湾では16店舗。全部直営。
  • 出店の考え方:人類のいるところに食を提供する場を作る。
  • アメリカビーフ輸入停止からの売り上げ前年比ではすき屋、松屋、吉野家の順番ではあるが、実際の売上高では負けてはいない。
  • 他社は元々牛丼だけではなかったから影響は吉野家よりも小さかった。
  • 牛丼だけにこだわるのは一定量をもって味を維持するため、効率を上げるため。
  • 吉野家牛丼の味はある量以上の材料とたれを繰り返して煮込まないと出せない。
  • 一日500食を見込めないと味を維持できないから出店しない。
  • 営業利益率17%くらい(2002年)。15%以上の部分は全部品質に還元する。
  • 社員年収は外食他社よりは年間100万円くらい高い。
  • 他社はアメリカビーフがなくなってから牛丼を再開したが、効果が限定的だと実証された。
  • 株価が下がらなかった理由:無借金の健全経営。キャッシュが200億ある。アメリカビーフがいずれ再開する。投資家から見て下がる要素がなかった。
  • 吉野家の牛丼の価値の構成要素:うまい、やすい、はやい。
  • 創業店は築地店。魚市場にあった。そのときは「うまい、はやい」だった。
  • 客が店に入るとき、いつもと同じ味を期待するため、いつもと違う味だったら満足しない。そのため、どの店で食べても同じ味を出せるように全材料、用具などが全店で同じ。
  • 食べ残し=客の商品に対する不満。
  • 吉野家のたれはしょうゆの量よりも白ワインが多い。
  • 一日三回棚卸。毎日15時までのデータでその日の売り上げなどをシステムで集計し、次の日の原材料の発送量を決める。
  • 新商品鉄鍋膳の導入には新しい長期器具を必要なため、企画から発売開始まで全部で2ヵ月半くらいかかった。
  • 質問:豚丼の10円値上げの必要があったのか?味が本当によくなったのか?新豚丼発売の前日の肉などは廃棄したのか?
     豚肉の卸制度の健全化によって相場が上がっていたというのが背景にある。しかしこれが値上げの直接原因ではない。たれを変えることによって味が大幅によくしたのが原因。前日の肉は廃棄した。実は少し前から少しずつ新しいたれを使用していた。最後に導入する一部の店舗だけで肉などを廃棄した。
  • 質問:マクドナルドのように過剰労働などの労働問題はないのか?
     マクドナルドは30分単位で労働時間を計っているが、吉野家は6分単位で、2捨3入で計算しているから問題ない。
  • 質問:他社は券売機などを使っているが、吉野家はなぜ直接の払いにこだわるのか?
     食を通してのコミュニケーションにこだわっているため。店員とのコミュニケーションのチャンスを少し残したい。しかし、今「一言もしゃべりたくない」お客さんも出ていてるし、牛丼単品ではなく、ミックスメニューになっているから、今までのU字カウンターがうまく機能しなくなってきている。そのため、今後は多様な対応をするつもり。アメリカビーフ再開後はU字カウンタの牛丼専門店とテーブルも置くミックスメニュー店の二種に分けると考えている。
  • 吉野家のコアの顧客層は18歳から35歳までの男性。今後は女性も、他の年齢層も顧客層として拡大したい。
  • 質問:松屋などとの客層は違うのか?
     吉野家は一人客が圧倒的に多い。何人か集まっている場合松屋などを選ぶようになる。今度のミックスメニューによってグループ客や家族連れの客層を拡大した。
  • 質問:社長はアルバイトから始めて今社長になっているが、どの時期が一番面白いのか?
     next is more fun と思っているのだから、次に向かう今の仕事が一番面白い。
  • 質問:ヨーロッパにはまだ出店していないが、いつになったら出店するのか?
     ヨーロッパにはもちろん出店したい。最終的にはインドにも出店したいから(笑)、もちろん牛はやらないけどね。今はアジアに力を入れている。人的な制限によって同時に進行できるのは3カ国ぐらい。出店に関する制限はそれだけ。
  • 質問:なんで味噌汁をセットでつけないのか?
     単品を提供し、そのコーディネートをお客さんに任せる。一部のお客さんには単品でいいから安くしてくれという志向もあるはずだから。
  • 質問:吉野家本郷店は休業中ですが。
     本郷店は店舗ランキングの中でかなり低い店で、実は一部の成績のよくない店は家賃だけを払っていたほうが安いのだ。アメリカビーフが再開すれば休業中の店も再開する。

2005年11月1日火曜日

北朝鮮のテレビニュースを見る

 胡錦濤国家主席の訪朝のニュース映像をネットで見た。エルファネットという朝鮮総連が運営しているウェブサイトで朝鮮中央テレビのニュースを見ることができる。そこで、胡主席の訪朝の特別報道の映像を見た。
 なかなか見れない報道映像だった。中国国内では、北朝鮮の今の状況は中国の30何年前の文化大革命に似たような状態だと言う認識は一般的である。今回の映像を見る限りもその時代の中国にかなり似ている部分は確かにある。しかし、やはり世界環境は30年も進んでいるから、中国の一般国民が理解する時のイメージとしては問題ないが、その当時の中国の様子で今の北朝鮮を説明するのは不可能だ。
 ネットで高画質で朝鮮中央テレビのニュースの映像を見れることは北朝鮮政府の外国に対する一番大きなアピールだろう。かなり限られた一面しか見れないが、ある程度の北朝鮮に対して知ることができるのは確かであろう。

2005年10月31日月曜日

小泉新内閣

 小泉新内閣が発足した。鷹派の麻生外務大臣と安部官房長官の誕生が日中関係にさらに不安定要素をもたらすだろうと言う見方が強いだろうけど、実際には長期的な視点で見るとこの鷹派人事が必ずしも日中関係にマイナスとは限らない。
 小泉首相が国内改革を進めてきていると同時に、外交面では、(確かに中韓などの近隣諸国との関係を悪くしているが、)「強い日本、独立日本」を作り上げようとしてきた。この方針がこれからの政府、さらにポスト小泉でも引き継がれるだろう。



 「強い日本、独立日本」は「脱アメリカ」につながり、戦後初のアメリカの属国ではない日本を誕生させるかもしれない。これは日本のアジア復帰につながるかもしれない。
 もちろんアメリカから「独立」しても、その後の政策がどうなるかわからないが、少なくとも今のアメリカという存在が日本のアジアへの仲間入りの一番大きな障害だから、将来の外交政策にオプションを増やすためにも、「強い日本」方針は日本にとって必要であろう。

2005年10月30日日曜日

SUICA急拡大

 SUICAの最近の拡大に驚いた。最初の駅の店での利用開始から今のように浸透するまで本当に速かった。最近僕が利用しただけでもファミリマート、ジョナサン、ビックカメラがあった。これからはもっと多くの店で利用できるようになるだろう。
 ICカードの普及はこれからの世界中のトレンドのはず。ただそれが普及するのにかかる時間は各国で違うだけだろうから別に驚くことじゃないけど、それよりそれを日本で進めているのが鉄道会社であることが面白い。



  今鉄道会社は完全に鉄道以外の分野に大規模の進出をしている。しかも、それが顧客ニーズにあった正しい行動だった。そして、SUICAから得られる一番のヒントは、「駅」という壁を越えることだと思う。
 よく考えれば、鉄道会社は実は他の会社にない超大規模のユーザーを最初から持っている。そのユーザーに何かのサービスを提供することは誰でも思いつくはずだ。少なくとも今までの駅での売店などはそえの確かの証明だ。それに対して、今のSUICAの普及は、ユーザーの駅の外でのサービス利用をもターゲットとしている。しかもそのターゲットは金の支払いが発生する場全部。ただ駅という制限をはずしただけで大ヒットとなった。
 他にも壁をはずせばもっとたくさんのユーザー層が増えるような商品があるはずだ。たとえば、ツーカーの年配者向けの簡単携帯は通話だけの機能に特化して、お年寄りに受け入れられたが、ただ通話とメール二つの機能、あるいはただ通話だけの機能の携帯電話を求めているのはお年寄りだけじゃないはずだ。ならもっとデザインをよくして、中年層やその他向けの簡単携帯を開発すれば売れるのではないか。
 学校と塾の壁も実は必要ないのではないかと感じる。今になってほぼ学校と塾との間には教育方法の共通点がほとんどなくなっているから、学校は学校、塾は塾になってきているが、どっちにしても教育は教育だから、学校と塾そのものが合併して、新しいスタイルの教育機関ができるはずだ。毎日通う学校で塾のシステムで勉強するニーズはたくさんあるはずだ。塾方式の教育は浪人生だけの特権ではないはずだ。
 もちろん市場におけるニーズ調査がないと実際にビジネス性があるかどうかはいえないが、少なくともこのように壁をはずすことで、可能性が増えることは確かだろう。