2007年6月23日土曜日

CMを見て その3 JTは何の会社?

 CMしか見ていない人に聞くと、「Delightの会社だ」という答えが返ってくるかもしれない。そういう意味ではこのCMはとても成功しているだろう。


 


 でも、実際にはJTは日本たばこ産業で、日本最大のタバコ会社だ。CMでいうDelight(喜びの意味)の部分は、この会社がタバコ事業のほかにやっている医薬品事業、食品事業の二つの事業と社会活動のことだ。


 


 調べてみたら、JTの医薬品事業と食品事業の売上高は全体の7.5%に過ぎない。利益で見ると医薬品事業は赤字で、食品事業は全体の営業利益の2%しかない。これではDelightの会社だとはとてもいえないだろう。(もちろん、タバコ事業もDelightだといえばDelightの会社ではあるが。)


 


 実は問題はJTにあるわけではない。タバコ業界はテレビ、ラジオやインターネットなどでのタバコ広告を自粛している。実際に打てるのは喫煙マナーに関する広告だけである。これがJTがDelightのCMを打つ背景だろ。


 


 タバコ業界が自粛するのは、社会への配慮が主な理由だろう。でもこれはおかしな話だと思う。


 


 本当に社会がそこまでこういう業界に厳しいなら、酒に対してもなんらかの措置を取るべきなのではないでしょうか?


 


 タバコと酒は本質的には社会にとって同じだと思う。依存性も、過量の場合の体への害も、他人への迷惑も、そしてコミュニケーションの手段として物事を円滑にするのも、税金面では社会にとっては必要不可欠であることも。


 


 なのに酒は自由にどんな宣伝でもできる。一方でタバコの会社はほとんど利益のならないDelightを宣伝せざるを得ない。社会のこの二つの産業への扱い方に問題があるのではないか。


 


 僕は非常にタバコが嫌いな人だ。しかし全面禁煙を望まない。酒がこの社会で許されているように、タバコに対しても、許されるような仕組みを早く構築すべきだと思っている。



5 件のコメント:

sol さんのコメント...

はじめまして。以前から読ませていただいています。
すこしコメントを。無理な一般化はよくありません。
タバコの害(や、排気ガス)は空気によって伝わります。私の知り合いは化学物質過敏症(タバコアレルギのようなもの)で、街を歩くだけでダウンします。咳がすごいことになります。咳は痛みを伴うそうです。特に歩きタバコの人とすれ違ったりすると可哀想なことになります。大学が街中にあるからこの病気と付き合っていくしかありません。

sol さんのコメント...

ちなみにこの病気は、どんな人も個人差はありますが、あるキャパシティを超えるとかかってしまうそうです。つまり各人一生で消化できる化学物質の量が決まっていて、それを超えると拒否反応が起こるようになるということです(タバコ以外の化学物質でも発症します)。ちなみに現在治療法はありません。
化学的にも、タバコは発がん性がありますが酒にはありません。副流煙によってがんになるかたもいらっしゃいます。
確かに共通する部分も多いのでしょうが、嗜好品だという以上の共通性は無いでしょう。
それでも、タバコと酒の「他人への迷惑」は同じだとおっしゃいますか?

sol さんのコメント...

※ちなみにお分かりだと思いますが、私は全面禁煙しろとはいっていません。
根本的に違うものだといっているだけです。
(ちなみにtakurinさんを非難しているわけでもありません)

Takurin さんのコメント...

コメントありがとうございます。
solさんのおっしゃりたいことがよく分かりました。
確かにおっしゃるとおりだと思います。私の勉強不足で軽率な論理展開になってしまいました。
ご指摘のおかげで理解を深めることが出来ました。ありがとうございます。
これからもこのブログをご愛顧の程、よろしくお願いいたします。

sol さんのコメント...

わかっていただけてありがたいです。ありがとうございます。お手軽に記事を修正したりしないあたりがやはり素晴らしい方だと思います。
当方閉鎖?する以前からのファンです。これからも楽しく読ませていただこうと思います。