2007年4月6日金曜日

授業は何のためにある?

 大学の授業は教える内容が古いし、やり方も伝統的で、時代に合わない。との批判はよくある。


 大学の授業をまじめに受けるよりも、課外活動やインターンシップ、バイトで頑張ったほうが人間としての成長が大きいともよく聞く。


 どちらも正しいと思うし、どちらも偏った見方でもある。


 大学にいて、よくキャンパス外で活躍している学生を目にする。スーツを着こなし、ビジネストークをする。かっこよく見えたりもする。しかし、よく考えれば、彼らには本業をほったらかしにしている人が多いのではないか。


 よく本や雑誌で成功した人の「大学中退」を強調したり、「大学での勉強が意味ない」と書いたりする。さらに日本の企業は真っ白な学生を最初から教育しなおすのが得意だから、学生の大学での勉強については無関心。この二点が日本人の大学間をミスリードしている部分がかなり大きい。


 アメリカでは大学の課業が多く、評価も厳しい。そして一番下の何割かを留年させるなどの罰則もあったりする。だから高校まではほとんど何も勉強しない学生が大学四年間でたくさんのことを勉強し、そこからノウハウなども得られる。大学の競争を勝ち抜いた人が会社を起こし、成功していく。


 これが正しい大学の利用の仕方のはずだ。でないと四年間あるいは六年間もかけて大学に通う意味がない。その時間を利用して好きなことをやったほうがいい。


 確かに大学の授業の内容は古いのが多い。何年間も同じ教科書で同じ内容を教えている授業が多い。科学の古典的な部分を教える授業はなおそうだ。


 逆に時代の流れに沿って進化し続ける授業もある。僕が受けた授業の中にも、去年とは同じことをやらないと決めている先生もいる。また、毎回社会人の講師を招いてお話をするオムニバス形式の授業もあり、大体そのときそのときの注目の話題について話をしてくださった。


 授業のレベルに関しても、決して低くないものが多い。先学期受けていた授業で、企業の分析の研究を行なった。そして実際その分析結果を会社の取締役の方などに見てもらった。具体的な方策こそ違うが、戦略的な方向は会社のいまやろうとしているものと同じだという。その戦略決定などについても議論をしてくださった。


 研究室の研究を企業と共同でやっていて、そのまま企業のプロジェクトに携わっている友達も何人かいる。


 大学の授業や研究には高い価値がある。しかもその多くは大学でしか得られないものだ。ただ、数多くあるものの中から価値のあるものを選び出す必要がある。



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