2007年4月4日水曜日

就活が変わった

 今日1997年大学を卒業した社会人の方と就活などについて話す機会があった。


 10年前の就活は大学四年生になる直前くらいから始まるものだった。エントリーをして、選考を経て、内定をもらう。


 エントリー、選考、内定というやり方はやはり同じだが、いまの就活は10年前より半年くらい早くなった。


 いまの大学3年生や修士1年生は2学期から就活をはじめる。つまり3年生や修士1年の11月からだ。


 原因はそこまで早く採用を始める企業が増えたからだ。特に外資はやたら早くやり始める。学生を囲い込むためには、早く動く出すのは確かに正解かもしれない。


 もっと積極的な学生なら3年生や修士1年生のの夏休みに企業のインターンシップに参加する。そのためのエントリーや選考は6月中旬くらいから始まる。


 3年生を置いといて、修士1年生を考えてみると、4月に大学院に入学したばかりで、また3ヶ月も大学院での勉強をしていないのに、就職活動の一部であるインターンシップをはじめている。そして、大学院に入って半年、本格的な就職活動が始まり、早ければその3ヵ月後にもう内定をもらっている。


 つまり修士1年が終わっていないうちに、希望企業の内定を勝ち取ることが可能なのだ。


 一見いい話のようだが、実際はそうでもない。院に入って半年後の時点では、修士としての研究はもちろん、大学院の授業すら十分に受けていないはずだ。それまでの時間をちゃんと勉強や研究に集中していればいいけど、そうでない人は最初の一年間は大学院から得るものが少ない。


 企業は大学や大学院で何を勉強してきたかを重視しないし、むしろ課外活動を重視している。内定をもらってからの一年をちゃんと勉強や研究に打つ込めばいいという理屈を言えば、ごもっともでそれまでだが、やはり大学院に入る本来の目的は就職のための自由時間の確保ではないはずだ。


 このような構造を作ってしまったこの社会や、ひとつ上、二つ上の世代がもちろん悪いが、それをおかしいと考えずに流される学生も同じく悪いだろう。


 大学や大学院にいる間にしか勉強できないことも多い、確かに学校で教えられる知識などは古いものが多いが、一人前の大学生なら大学は知識を勉強するだけのところではないことくらい分かるはずだ。


 知識以上に重要で、しかも大学でしか勉強できないことも多々ある。それを見つけて、限られた時間の中で吸収し、自分の教養や能力を上げることが大学生、大学院生の本来の目的のはずだ。


 この四月、また大学院をただの就職のための通過路として考えている学生が大学院に進学してきている。



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