2005年12月25日日曜日

中国式ビールの注ぎ方

9fdcdb72.jpg 今日テレビのとある番組で北朝鮮の店のビールの注ぎ方が面白いとの話があった。その注ぎ方とはビン口をガラスの縁に引っかかって、ガラスを傾けて注ぐというやり方だった。 (図参照)
 実はこの注ぎ方は中国ではごく一般に使われている。多くの酒を飲む人の間では、(地方差あるかもしれないが、)常識になっている。
 番組ではこの注ぎ方は泡をうまく見せようとしているのではないかと日本のビール注ぎの達人が言っていたが、実は逆で、これは泡を立てないように注ぐものなのだ。



 ビールは泡がおいしいのだが、人にビールを注いであげるときには、普通に注いだら泡が立ち、結局ビールはガラス半分しか入っていないことになる。中国では人に注ぐときこれを避けて、ビールいっぱい注いであげて、しかもすぐ飲めるようにしようということで、この注ぎ方が流行りだした。
 このやり方のみそはなるべくガラスを傾けるということにある。ガラスを傾けて、ビールがガラスの内壁に沿って注がれれば、泡が立たないのだ。なので、ガラスが倒れない程度でビンの口をガラスの縁に引っかかって、傾けさせて、ゆっくり注ぐ。そして最後にはゆっくりとガラスを元に戻しながらいっぱいになるまで注いで完成。
 傾ける具合によって泡の量が違ってくるので、熟練している人ほど傾ける角度が大きいのだ。
 中国語には「まともでない道。不正な考え」という意味の「歪門邪道(ワイメンシェーダォwai1men2xie2dao4)」「卑猥である、下劣である」の意味の「卑鄙下流(ベイビシャーリューbei1bi4xia4liu2)」「悪事から足を洗って正道に立ち返る」の意味の「改邪帰正(ガイシェーグィージェンgai3xie2gui1zheng4)」の「よくない」四字熟語がある。この三つの熟語をそれぞれ
 「歪門斜倒(ワイメンシェーダォ)」:出口を傾けて、ガラスを斜めにして注ぐ
 「杯壁下流(ベイビシャーリュー)」:ガラスの内壁に沿って下へ流れ込むように
 「改斜帰正(ガイシェーグィージェン)」:傾けたガラスをゆっくりと直して完成

 と、同じ発音だが、漢字と意味の違う「熟語」に変えて、この注ぎ方の手順として、面白半分では流行らしている。
 ぜひ今度この注ぎ方でついでみてください。


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