2005年12月26日月曜日

中国が外国人学生に奨学金を

 北京市教育委員会は、北京で勉強、研究をしている外国人学生と研究者向けの奨学金を設立することを発表した。金額は年間2万元から4万元(30万円から60万円くらい)だという。
 中国教育部(文部科学省にあたる)の統計によると、2004年12月31日までに、2004年一年間で、178ヶ国から11万人の留学生が中国の全国の大学などに勉強しにきている。その中、約7千人が中国政府奨学金留学生で、その他は自費留学生。
 同じ2004年の日本の留学生受入数は、大学で勉強する「留学」資格の2万2千人と、大学以外で勉強する「就学」資格の1万5千人を合計すると、3万7千人になっている。
 実に中国の留学生受入数が多い。そして、その出身国数も極めて多いのは比較してわかると思う。



 数よりも、やはり外国人学生奨学金制度の設立は象徴的な意味がある。日本でのはじめての外国人奨学金の設立の時期はわからないが、かなり前のことではないかと思う。中国での一般私費留学生向けの政府系奨学金は今回は初めてのようだ。これは中国の経済発展の一つの象徴的な結果だと思う。
 今までの中国における留学生のほとんどは、もちろん国費留学生を除いての話だが、中国よりいわゆる豊かの国から来た留学生がほとんどだった。平均収入は中国の平均収入を上回るような留学生に対しては、奨学金を出す必要はないだろうというのは今までの考えだった。そして、今回の奨学金の設立も同じ考えが変化したわけではなく、「中国より豊かではない国」からの留学生がかなり増えたからだと考えられる。
 実は中国にはアジア、アフリカの国々からの留学生が多数いる。主に中国の発展と中国語、中国文化を勉強するために中国にやってきたわけである。元々はこれらの国からの留学生は中国政府の国費留学生あるいは自国政府の留学生がほとんどだったが、今は自費の数もかなり増えたでしょう。そして、中国側にしてみても、奨学金を出す経済的な余裕も出てきたし、さらに留学生の人数を増やすことも国家戦略の一環であるから、これからも政府系奨学金はどんどん増えるでしょう。
 日本も今年から留学生獲得のための戦略を連続に発表し、特に中国の留学生の獲得に力を入れている。やはり留学生獲得することは、国の将来にかかわる大きな意味を持っている。そして留学生側にしてみても、現地に実際に行って生活をしてみて、初めてその国についてわかるようになってくる。
 メディアの目ではなく、やはり実際に自分の目を通して知りたい国を見てみないと、何もわかっていない同然だと思う。


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