2005年12月22日木曜日

中国で大型油田発見

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 今日はちょっと研究テーマに関係するニュースについてを書く。
 今日の新華社ニュースで、中国は青蔵高原(青海省と西蔵自治区が位置する海抜4000メートル以上の高原)に、大慶油田の二倍の(究極)埋蔵量の100億トン(740億バーレル)の大型油田を発見したとのニュースがあった。
 これが意味するのは、中国は割と近い将来の原油自給率が更に大きく上がることである。もちろん直接に原油市場の価格下降材料になって、このニュースによって直近の価格は少し、そして新油田生産開始時からは価格は大きく下落することになるだろう。
 原油価格の変動の影響は、もちろんガソリン価格の変化だけではなく、化学製品の原材料の価格、交通輸送業界のコストなどなどにも及ぼす。そして、前テレビで見たが、石油が原料の洗剤を使っているから、クリーニング業界には致命的に近い打撃を与えたりすることがある。
 (写真は中国勝利油田での掘削現場)



 原油市場への影響は、国内原油生産量が増えるからだけではない。この大型油田を国内で、(しかも地理的条件がかなり厳しいところで)発見したことによって、国外企業などの買収資金のかなりの部分が国内に向けることになる。それで、外国企業が懸念している中国企業の外国企業の大規模買収はひと段落になり、落ち着くことになるだろう。
 中国の原油需要増もあるから、これらの原因だけによっては、近い将来の原油価格は大きな幅の減少がないだろうが、これ以上に中国が国際原油市場に圧力を与えることもしばらくはないであろう。
 これからは大規模の原発建設もあるから、中国のエネルギー問題は大きく緩和されるだろう。これもまた日本に中国進出企業には直接なメリットがいろいろとあるだろう。
 直接、間接に中国のエネルギー問題の緩和は日本や世界経済には多種の形で波及効果を及ぼしている。その意味でも中国一国のエネルギー問題は決して一国の問題ではない。日本も、さらに他の国も、小さい権益ばかりに目を向けるのではなく、もっと長い目で中国とエネルギーについて協力して欲しいと思う。


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