2005年12月14日水曜日

古い時代の社長

 今日大学の授業で、トヨタの副社長を経て、トヨタ系の自動車部品会社に転籍し、その社長、会長を経験し、去年現役引退した経営者が話をして下さった。
 配られた資料は三つの部分で構成されている。
  第1章は「会社生活を振り返って」
  第2章は「問題解決と創造」
  第3章は「むすび」
 だった。その第2章は、いろんな工学的、数学的、そして哲学的な考え方やモデルの紹介になっている。僕も、同じ授業を受ける学生たちもかなりこの部分には興味を持って話を聞いていた。



 しかし、1時間半の授業は第1章の内容で終わってしまった。終始現役時代、特にトヨタ役員になるまでの部長までの時代の話を話してくださった。
 話しそれ自体が退屈なわけではないが、決して面白いとも言えない。なによりも、話の中に出てくる技術も、生産方式も、考え方も、そして会社が直面する状況も、全部「その時代」のものだった。特に技術や生産方式は今もう使われていないものがほとんどだった。内容そのものには問題解決の手段や考え方になるようなヒントもなく、結局一時間半ほぼ自慢話を聞いて終わったような気がしてならない。
 本当に「こんな話は僕たちにどんな意味がありますか?」と聞きたくなるような内容ばかりだった。もちろん学生たちは容赦なく3分の1くらい寝ていた。吉野家阿部社長の授業の時とは大違いだった。
 授業が終わって感じたのは、これは一つ前の時代の「古い社長」の話だったというものだ。あの代表的なIT企業の社長が言ったことを思い出させるような授業だった。

1 件のコメント:

けん さんのコメント...

話し手(授業する人)は聞き手(学生)が何のために授業を聞くのか考えて欲しいよね。
確かに李君の言う通り、トヨタの副社長まで経験した人が授業の目的自体、理解していないのは少し悲しいもんだね。
偉い人ってそういう重要な部分をつかむのがうまいと思うんだけどね。
まぁそれか手を抜いたか。
教育がそれほど重要だという意識がないんじゃないかな?
「俺の一言がここにいる何人かの生徒の心に残り、その影響で世界を変える人が出てくる」くらいの勢いで授業して欲しいよね。
教育は大切だーーーと俺は思うよ。
俺が思うに、創業一代目社長の話はかなり情熱に溢れてて面白いよ。
最近、李君のブログおもろいね。
結構、読んでるよ。