2005年11月21日月曜日

エネルギー確保 市場?地政?

 今日日曜日に録画した番組を見てたら、鈴木宗男議員がロシアとの外交関係を改善して、北海道に直近の石油・天然ガスエネルギー資源の確保をすべきだと言っていた。
 これは市場の原理で安いところからエネルギーを調達するのではなく、地政学的考え方で、政治外交など市場以外の力で安定エネルギー確保をする考え方による発言である。
 地政学的なエネルギー確保はアメリカのエネルギー戦争(イラク戦争がその代表)、中国のエネルギー外交と利益度外視企業買収、ロシアのエネルギーを政治の資本として使うなど大国が行っている。これに反論する考え方は市場の原理で、一番安いところからエネルギーを調達し、エネルギー開発などは全部利益の取れるようにプロジェクトを行うべきだということである。市場の原理を守ることこそ効率が一番よく、しかも国際エネルギー市場の安定性を守る唯一の手段だという主張。



 僕今大学で行っている研究は市場原理に基づいての国際原油価格市場の分析である。地政学的行動をまったく取らなければ、国際原油市場がどのような動きを示すかを分析するので、とても興味深いテーマである。しかし、一方で、それは現状の世界を反映していないのも事実。なので、このモデルが完成してから、影響要素に地政学的要素をも取り入れて、実際の市場の動きに近いモデルを構築するのも一つの重要なテーマである。
 国際原油市場の研究はあくまでもエネルギー戦略を建てるためである。ここでいうエネルギー戦略は一国とは限らず、一地域の何カ国、そして、最終的には世界規模でのエネルギー戦略を目指している。なので、実際に市場で起きている行動をもモデルに取り入れるべきである。
 完全に市場に任せたら一番効率がいいのか、それとも積極的に地政学的戦略を考えるべきなのか、これは僕にとってもまったくわからない疑問である。なので、この研究は単純に僕の疑問を解くことでもある。
 やっと理系の研究の本来の形に近づけていて、うれしい。


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