2006年2月18日土曜日

日中金銭感覚

 中国の話をするとき、中国元での値段などが出てくると、大体為替で計算した同額の日本円の額を括弧でついているときが多い。たとえば1000元というと為替的は15000円くらいになる。しかし、決して中国人にとっての1000元と日本人にとっての15000円の感覚は同じではない。



 中国の紙幣の最大額は100元で、一番よく使われる硬貨は1元硬貨。対して日本の一番大きい札は10000円で、100円コインが一番使われる。なので、為替などを考えないで、実際に中国人にとっての100元と日本人にとっての10000円の感覚は同じなのではないかとの仮説が立てられる。



 経験上これは正しいである。中国の大学生の一般的な初任給は2000元で、日本は200000円。弁当の値段は中国では5元から10元は普通で、日本は大体500円から1000円。本の値段は中国では大体10元から40元で、日本は1000円から4000円。



 なので、大体中国での100元と日本での10000円とは同じ重みだということになる。



 実際には1元は大体15円なので、感覚的な100倍の差とは6倍くらいの違いがある。これは両国の物価の差を表していると考えられる。つまりここで言っている「感覚上」は物価を考慮した通貨の差のことである。



 これがわかれば、いろんなことがわかってくる。たとえば北京のタクシー初乗り料金は10元で、東京では650円、感覚上東京の方が安い。最近の中国の安い国産車は4,5万元で買えるので、それは日本の400,500万円の車と同じくらいのレベルの車のイメージとなる。日中で同じ給料をもらっている人を比べると、その中国人はその日本人よりも100倍近く金持ちという感覚となる。



 実は全部の物価はこのように日中でちゃんと感覚的に一致するようにはなっていない。家電などの値段は日中ではほとんど変わらないのである。なので、たとえば日本では10万円で売られているプラズマテレビは、中国でも同じ値段で売っているから、感覚的には1000万円のテレビを売っているということになる。



 それでも買う人はいるのだ。



 実際には中国の収入はいくつかの層に分かれていて、金銭感覚ももちろん違ってくる。なので、一般的な庶民の感覚では1000万くらいするテレビでも、富裕層にとっては10万円くらいの感覚かもしれない。これは一個200元の(もちろん感覚的には1個2万円くらいとなる)日本産りんごが中国で売られていることと同じ理由である。



1 件のコメント:

furukawa さんのコメント...

おれも中国いったとき、十倍計算してました。
��0元が千円くらいの感覚で。
貧富の差、、って捉える見方もあるけれど、
中国人の方がお金の使い方にダイナミックさがあるなー、とか感じました。
日本人は1000万の買い物なんて、土地とか家しか買わないし、、(自分が知らないだけ?!)