2004年9月5日日曜日

IBMでのインターンシップ

今日はインターンの報告をちょっと書く。今は日本IBMでインターンしてる。全部四週間で、明日からは最後の一週間の始まりだ。

インターンではあるが、名前がIBMビジネスカレッジという日経新聞社とIBMが共催するスクールみたいなものだ。最初の一週間はファンダメンタルセッションという名の研修で、その後の三週間はプラクティカルセッションといういわゆる普通の仕事体験だ。

セッションは毎日テーマがあって、全員の54人の参加者を8チームに分けて、用意されたプログラムにしたがって色々そのテーマについて考えて、発表資料を手書きで作成、それを発表する。テーマは「自分の強みと弱み」など個人について考えるものと「チームの戦略を練る」のようなチームとして考えるものがあって、全体的にはちょっとコーチング的な要素入りのビジネスマン養成の基礎講座の感じだった。そしてもう一つ重要な特徴としては、当たり前ではあるが、インターン生の54人をIBM色に染めるような内容だった。

 こういう系のインターンをままごとインターンと呼んでいる人がいる。それも確かにそうで、あまりこういうものが実践でとても役立つとは思えない。ただ心構えができるくらいの効果は恐らくあると思う。でもどっちにしても、集まった54人の実力を考えると、ちょっとままごとと言っても良かったかも。みんなももっと本気でやれるくらいのレベルのものを期待していたのではないかな?



研修のファンダメンタルセッションと体験のプラクティカルセッション以外にに、もう一つ内容として、一日一時間使って、54全員で何か形のあるものを作り上げるプロジェクトがあった。これもまたおもしろい話で、54人という膨大な組織を一つのプロジェクトチームにして、仕事をすることが、まずコミュニケーションの面と意志統一の面からしてほぼ無理の話で、さらに要求として「みんなの意見を尊重して、一人の脱落者なく」を付け加えると、とても難しいことになってしまう。セッションでやっていることとこのプロジェクトの差が、まじめに考えると、ちょっと大きすぎたかも。実際に始めてみて、その大変さが現れてきた。プロジェクトマネージャーはみんなの意見をまとめようとするが、結局意見がまとまらなく、時間だけがすぎてしまう。それもそのはず、あまりにもみんなの意見を聞こうとしたから、みんな自由に意見をいい、結論を出すのがますます難しくなっていく。

 みんなの意見を聞くべきではないと思わないが、こういうとき、原案をまず作って、それについてみんなが議論した方が仕事の進め方としていい気がする。最初のアイディアはみんなにブレストで出してもらうが、そのあとそれをまとめて、絞って、みんなの意見に従って一つを選んで原案を作ることはみんなの話し合いでやるべきではないと思う。だれかがやって、具体案としてそれをみんな提示して、意見を求めるべきだと思う。今回は実際にすべての部分をみんなで決めようとしたから、なかなか進まなかった。

 みんな意見を尊重することは、みんなの意見を最終的な結論の盛り込むことではない。一つのものを作ることが目標である以上、みんなそれぞれの違う視点と考えを取捨選択しなければならない。

 問題はたくさんあるけど、今回のプロジェクトは割とうまくいっている。それは実際に取ったやり方は途中から現実的なものになったからだ。みんなが自由に全体の場で意見をいうのではなく、まずグループに分けて、その中で意見をいい、そしてグループの意見を一つまとめて、代表としてグループのリーダーがそれをみんなに発表する。そして各グループの意見をまた取捨選択して、全体として一つの結論を出す。みんなの意見を全部盛り込むという幻想を捨てて、意見を出し合って支持が得られる意見を選ぶというとても現実的で効率のいいやり方を取ったから、最終的にうまくいった。いい考えを持っても、それを主張によってみんなを納得させなければならない。主張が最終的に全体の案として採用されなければ、主張の意味がなくなる。甘く考えてならないのはビジネスの世界だから、このやり方はその意味で最適かもしれない。

時間がなくほとんどミーティングなどに参加していない僕から見て、本当にリーダーをはじめとしてみんなよく頑張っている。やはりIBCに集まったメンバーたちはみんなすごい。そしてまたかもIBCはこんなすばらしいインターン生にもっと価値のあるものを提供すべきだと思う。

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