2004年9月6日月曜日

東大生

「東大生が書いたやさしい株の教科書」を土日で読んだ。結構面白かった。そして株についてちょっとわかる気になってきた。少なくともチャートは読めるようになった。分析も簡単なのができるようになった。後は実践しながらもっと詳しい勉強をするのだ。とは言っても今のところ株に投資するつもりはない。金がないから。

 東大生が頭いいというのは本当だ。なんだかんだ言っても東大生は東大生だ。ただ東大生は東京大学という組織の中で、ほんの少ししか力を発揮できずに卒業してしまう場合が多い。そしてこのような東大生は、またIBMのような力を十分に発揮できない大企業に入ってしまう。

 もったいないことだ。 

東大というブランドとそのブランドのもとで作られた組織は、東大生を安心させる。だから、なにも考えずにただ東大にいるだけの学生が多く出てくる。東大生にはパワーがある、しかし、安心している東大生たちは、そのパワーを使おうとしない。なぜなら、東大という組織、そしてその組織から卒業した後の日本社会という組織は、東大生がいつでも安心できるような仕組みを作っている。東大生を東大生だからという理由で受け入れ、それほど力を発揮しなくても満足できるくらいの給料を東大生にくれる。そして東大生も安心して、自分の本当の力を殺して、小さいな仕事をする。

 実はほかの有名大学も同じ。責任を大学側や学歴社会だけに帰着してはいけない。

 日本の企業にも問題がある。そしてむしろ主な責任は実は企業側にあると思う。特にいわゆる大企業に。

 日本の企業とアメリカの企業の違いと言えば、一番挙げたいのは教育である。これは周知の事実だと思う。日本企業は新入社員を同じように教育し、理想の新入社員を作る。そして、その理想像に従って、新入社員に仕事を振る。これは、すでにできあがったシステムである。そうすれば、どんなに個性的、能力のある社員でも、最初はほかの新入社員と同じ教育を受けさせられる。そして同じように見られ、同じくらいしか期待されない。同じ仕事しかやらせてくれない。たとえ本当に能力があるとしても、このすでにできあがってしまったシステムを無視して、大きな仕事を任せることをしない。このシステムでは、個個人の能力を見ていない。どんな人が入ってきても、社内教育をちゃんと受けるくらいの学力があれば、問題ないわけだ。

 アメリカの企業は、社員向けの教育の参加は個人の自由である。企業側が要求する能力があれば、参加しなくてもいい。むしろ最初から能力のある人を即戦力として入れたい。企業が見ているのは個人の能力、能力があると認められた人には、たとえ若くても、大きな仕事を任される。

 両方の企業とも大学名をそんなに意識しない。ただ、その意味は違う。アメリカ企業は、どこの大学からでたか関係なく、その人の能力を見て判断するから、出身大学はそれほど重要ではない。しかし、日本企業は、どこの大学を出ても、入社したら教育し直すから、社内教育を受けられるくらいの学力があればいい。それ以上は期待しないし、必要ない。

 ではどうせい期待していなかったら、なぜ日本の大企業は東大などの有名大学の学生を取りたいのか?これも明白なことで、有名大学の学生たちは不安定の高い給料よりも安定を求め大企業を希望する場合が多い。企業側としては、よりよく社員教育を受けられる学生を取りたいから、自然に「勉強のプロ」である有名大学の学生を取ることになる。このように両方と望んでいることだから、自然に成立する。

 結局日本の大企業いい学生をたくさん集めるが、能力にふさわしい仕事を与えない。学生も自分の本当の能力を犠牲にして、安定した生活を選ぶ。

 社会にとっては、これは人材の無駄遣いであろう。

4 件のコメント:

博多 さんのコメント...

どちらも大学名を気にしていないっていう理論は凄い面白かった。アメリカの教育制度も恥ずかしながらしらなかったので勉強になった。もっとblog書いてくれ~。本当に勉強になる

Takurin さんのコメント...

読んでくれてありがとう。博多のも毎日読んでいます。結構面白いですね。

藤田 さんのコメント...

「株についてちょっとわかる気になってきた。」という発言にコメントします。別にそんなんでわかるか!とかそういう批判じゃありません。日本の現状を憂いたコメントです。
株の分析にはテクニカル分析とファンダメンタル分析があります。
テクニカル分析というのは、チャート分析・罫線分析とかのことで、株価や出来高などの市場データをグラフにして分析する手法のことです。ファンダメンタル分析というのは、株式投資でいえば企業に関する調査や財務諸表の分析などです。
でも、俺が思うに株式投資初心者はテクニカル分析をするべきではないと思っています。なんかテクニカル分析を勉強すると株をわかったような気になるんです。でもそれは絶対に違う。ちょっと言い過ぎかもしれませんが、日本では残念ながら、初心者向けの書籍、雑誌なんかでやファンダメンタル分析をダラダラと書いてあります。あれは流れに乗せられてるんですよ。社会の流れに。
アメリカの資産構成に比べ、日本の資産構成は大きく違う。(もしくは違った。)貯蓄の割合が多く、投資の割合が少ない。豊富にある日本人マネーをみんな欲しいんですよ。株式市場に回して欲しいんですよ。
僕が高校生だった頃、当時、株式投資に関する本を読み始めた頃、本屋にはいい本がたくさん並んでましたよ。
こんなとこにちょっと書いたところで、この話の全容は見えないと思うんで、もし詳しく聞きたかったら、会った時にでも。教育の話なんかも思うところはあるんで、それもしましょ。

Takurin さんのコメント...

 やっぱ突っ込まれました。後半の内容のために気楽に書きましたけどね。
 株に対してはいろいろ見てみたい、勉強したい感じです。日本の市場も正直わかりません。というより中国市場のほうに興味ある。ちょっといろいろ研究してみたいです。
 今度是非いろいろ教えてください。まだ素人なんで。よろしくお願いします。