2007年8月2日木曜日

オープンキャンパス

 8月1日と2日は東大のオープンキャンパスの日だった。1日は本郷キャンパスで、2日は駒場キャンパスでそれぞれ高校生向けのプログラムが行なわれた。


 東大が積極的に高校生や一般市民向けにアピールするのはここ数年で、国立大学法人化以来のことだ。


 世の中の東大に対するイメージと実際の東大の間に大きなギャップがあることが確かで、それは別にそんなに大きな問題ではないと思われてきた。しかし、やはりイメージが実際と違うことはいろんな影響を及ぼすことになるので、最近東大は自分たちからの発信を増やしている。


 実際に東大にはよく出来ているシステムなどが多くある。個人的には東大の教養課程のシステムが非常に評価すべきものだと思っている。最初の2年間(実際は1年半)は専門を決めずに、幅広く授業を取り、他分野の知識に触れ、その中から自分のやりたいことを見つける。2年間をこのように過ごすことがとても大事だと思う。


 もともと多くの大学で採用されているシステムだが、大学の改革でほとんど廃止され、まったく独立した教養課程を設けているのはいまは東大しかない。(慶應義塾大学など、各学部の中で教養教育を行なう大学はまだ多くある。)


 高校を卒業するのは18歳くらいのときで、この時点で自分は何をやりたいのかをはっきりしている高校生が少ない。そもそも小中高校の12年間で触れられる知識も、世の中との関わりも限られていて、十分な情報を持たないまま自分の専門を決める時期に突入してしまう。


 別に大学を2年間通ったからといって、自分の本当にやりたいことが分かるようになるわけではない。しかし、この2年間で得られる情報量は高校生のときの何倍、場合によっては何十倍にもなるかもしれない。少なくとも選択の幅が広まるのは間違いないだろう。


 東大の中でもいまだに教養課程の存続についての議論がある。つまり教養課程のマイナスの面もある。よくあげられるのは、やりたいことがはっきりしている学生にも、2年間の間ほとんど専門の勉強をさせない。これは学生の視野を広げると同時に、やる気をなくさせてしまい、人材の浪費になるのではないかという点だ。


 実際のやり方の改善すべき点はまだまだあると思うが、制度自体は存続させえていくべきだと思う。



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