2005年9月7日水曜日

日本語のおかしいガイドブック

 今日は愛知万博で配られている蘇州市の日本語版のガイドブックを読んでみた。 蘇州は上海の近くの江蘇省の市で、近くにある浙江省の杭州と合わせて「蘇杭」と呼ばれ、町の綺麗さや江南(揚子江の南の入り江に近い地域)料理や文化などで有名である。中国のことわざには「上には天国があり、下には蘇杭がある」というのがあって、この二つの町のすばらしさをあらわしている。 そのガイドブックは万博に行ってきた蘇集出身の後輩がもらってきたものだ。中国館で配られているもので、誰でも自由にもらえる。そのほかにもいろんなお土産などがある。 そのガイドブックは綺麗にできているが、とにかく日本語がおかしい。中国語の直訳がかなり多く、しかも読んでみればすぐ、これは日本語をよくわかっていない人が訳したものだとわかるようなきわめて不自然な日本語やおかしな日本語が相当ある。 一番印象に残っているのは、歴史のある店の紹介で、「この店は有名な老人である」という表現があったのだ。これはちょっと考えればすぐ「老舗」をいおうとしているのだとわかるが、さすがに「老人」というのは無理はある。他にも、蘇州料理を紹介して、その最後に「蘇州料理を食べるには、蘇州に行ってはいけない」と書いてあった。何か理由があるのかと思って、前の内容をよく読んでみたが、特にそれらしいものもなく、蘇州料理について紹介しているだけだった。ここでこの文は「蘇州料理を食べるには、蘇州に行かなくてはいけない」だろうと思った。それならまだ理解はできる。 他にも日本語としておかしい部分がかなりあった。こんな手抜きしたガイドブックはどこが出したのかと思ってみてみたら、蘇州市の観光局だった。市の財政でやっている宣伝用のガイドブックなのに、こんなに手抜きをしている。しかもこんなものを愛知万博で堂々と配っていることに怒りを感じる。日本語をちゃんとわかっている人が読んでみればすぐおかしいとわかるのに、なぜこのままの状態で印刷して日本に持ってきたのかわからない。こんなことをやっていたら笑われるだけだとわかっているはずなのに。もしかしたらこれも一部の少数の人の個人利益のための犠牲かもしれない。

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