2004年9月17日金曜日

日本IBM理事の方と話をした(9月9日分)

 一週間BLOG書いてないが、それでもアクセスしてくれる人がいたので、申し訳なく思った。

 今日から前の分含めて書いていく。



 9月9日に、日本IBMでのインターンのボスが日本IBMの理事の神庭さんと話すチャンスをセッティングしてくれた。かなり貴重な機会だ。

 そこで、日本IBMでインターンして感じた疑問をぶつけてみた。

 まずは「日本IBMのような巨大企業では、社員一人一人は会社全体が見えて、仕事をしているでしょうか?」神庭さんの答えは単純明快だ:「見えていないね。」その理由を聞いてみると、このように答えてくれた(大意):「IBMは技術者の会社だ。社員の多くは技術者だ。彼らにとって、IT業界で日々起きている技術の進歩に追いついて、いつも技術の最前線で仕事をすることが一番の使命だ、この使命をちゃんと果たすにはかなりの努力と能力が要る。なので、会社のことを考えている暇がない。その代わりに、経営者がそれを考えて、技術者をサポートする。」うちのボスも「IBMをドライブしているのは経営職の人だが、実際に大きな決定や変革を引き起こすのは業界や市場をよくわかっている技術者だ。eビジネスもそうだし、LotusNotesの導入もそうだ。」と説明してくれた。この説明には納得できた。IBMは確かに技術者の世界だ。技術志向の僕にはあまり感じない技術者の楽しさを社員たちが感じているように見える。違う世界の楽しさをなかなかできないなと思った。

 次にIBMでの技術マネジメント(MOT)について「日本IBMの技術のマネジメントはどうですか」と聞いたら「正直うまく言ってるとは言えないね。なかなか難しいので、模索しながらやっている。ただ業界ではリードしていると思うが。」という答えだった。

 今IBMが提供するトータルソリューションについて、「今は売上のなかのサービスの部分が大きいが、これからはその比率は大きくなっていくのか、それとも小さくなるのか」と聞いたら、「今サービスは売上の70%を占めている。残りの30%はハード20%とソフト10%。これからはこの比率さらに大きくなっていると思う。90%くらいには行く。前10億で売っていたシステムは今1億円の値段になったから、ハードだけをやっても利益上がらない。今の時代はシステムをお客さんに売ればいい時代ではない、お客さんの問題を解決できなければお客さんは満足してくれない。だからシステムだけではなく、ソフト、サービスを全部一緒に提供して、さらにそのあとも長期的にサービスをし続けて初めて価値がでる。これからもこのトータルソリューションの提供をどんどんやっていく。これはとても難しいビジネスであって、リスクが大きいし、IBMもあまり経験持っていないけれども、これからはこのやり方でやっていくしかない。」



 神庭さんはともて話がうまい方で、実際に話した内容はもっとあるが、そのポイントとなる部分だけを書いた。実際に話をしてまず感じたのは理事のレベルになると、会社の現状をそのまま話してくれることだった。なかなか社員さんと話をしてもこのようにはっきりと現状についていってくれる人がいない。これはまず神庭さんも言った全体が見えていないのがあって、さらに、社員としてあまり離せない立場にいるのもあるだろう。そしてもう一つ感じたのは今のIBMは一つの変革期の最中にある。これはガースナーさんがIBMでやった改革の延長線上にある変革だ。この変革期でのIBMの変化は、将来のIBMの運命を決めるだろう。

 興味深く見守っていたい。

2 件のコメント:

藤田 さんのコメント...

IBMのことなら俺に語らせて。そこらの若いIBM社員よりは詳しいと思うよ。これには、ちゃんと理由があるから。
まぁ今度あった時でも話すよ。

Takurin さんのコメント...

確かに前言ってましたよね。ぜひぜひ。