2009年5月6日水曜日

卓球 危機的な状況

 世界卓球が閉幕し、中国卓球協会会長の蔡振華氏が総括の記者会見で、いまの卓球は「危機的な状況」と明言した。



 今回の世界卓球では5項目の20枚のメダル中、中国は17枚を獲得した。(ほかの3枚は男子ダブルスの日本ペアの銅メダルと女子ダブルスの中国香港ペアと韓国ペアの銅メダル。)出場選手の中で、元中国籍の選手も多くいた。



 蔡氏はこれを「再度の失敗」と結論付けた。野球のオリンピック項目として廃止されたことを考えれば、蔡氏の言葉の意味が理解できる。つまり、中国としては自国の卓球の競争戦略は成功したが、その結果として、スポーツとしての卓球の発展が犠牲になったということだ。実際会見では、他国の卓球の技術発展が思ったより遙かに遅いと蔡氏が言った。



 蔡氏は今後中国卓球の技術と経験の一部を他国と共有すると宣言した。具体的には、「中国の卓球技術とノウハウには10のレベルがあるとすると、その1から7までを他国と共有してもいいと思う。」「中国ナショナルチームのコーチが他国チームを直接指導することもあり得る。」と。



 しかし問題は技術の共有だけで解決できるほど単純ではないと僕は思う。今の卓球は競争的に魅力的なスポーツでなくなっただけではなく、観賞性も度重なるルール改正と技術改革でかなり悪くなった。これではますます人気が下がってしまう。改革するなら、スポーツビジネスの要素を取り入れて、より戦略的に卓球をプロデュースしていく必要があるのではないと思う。


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